2024年6月25日付けで、このような報道があった。

【速報】ワシントン条約で規制の木材をパラグアイから密輸か 江戸時代創業の老舗「三木楽器」役員逮捕 良音の愛好家に人気「ギターの材料として使用したかった」(読売テレビ) – Yahoo!ニュース

絶滅の恐れがあるとして国際取引が規制された木材をパラグアイから密輸しようとしたとして、大阪市にある老舗の楽器販売会社「三木楽器」の役員の男が逮捕・送検されていたことが25日、わかりました。男は警察の調べに、「三木楽器ブランドのギターの材料として使用して販売したかった」などと容疑を認めているということです。

三木楽器ブランドのギターなんてものがあるのは知らなかった。大阪に住んでいて、三木楽器のオリジナルブランドを知らないというのはちょっといただけない。
知らないのなら調べようということで、色々検索するも、どうにもヒットしない。そんなか、X でこのようなポストを見つけた。

この方のポストの末尾にある「知らなんだ」が、「ハカランダ」に対して韻を踏んでいるのかどうかわからないが、大阪弁で多用されるとされている「知らんけど」では無いところがとても良くて、好感度が高い。「知らんけど」は、確かに使うこともあるが、ここ数年で取り上げられる機会が急速に増え、すごく手垢がついた感じがして、僕としてはもうすっかり疎遠になっている言葉だ。試しに、「知らんけど」に変更してみよう。

ハカランダ密輸で問題になってる三木楽器のオリジナルブランドってCreekなのか。知らんけど。

だめだ、一気に俗っぽくなる。手垢がつきまくった安物になる。やっぱりここは、「知らなんだ」で結んだ上記 X の方のポストは秀逸だ。

いや、そんなことはどうでもいい、三木楽器オリジナルのギターが Creek というブランドだという情報を得ることができたところで、確証を得るために更に掘る。

ちなみに、三木楽器のオリジナルギターについて情報を得ようとした際に、かなりの確率でたどり着くのがこれだ。

プライベートブランドの新商品「メモリアルギター」のご案内 | 三木楽器

2021年2月より、エンディング業界の葬儀シーンで活躍できる三木楽器プライベートブランドの新商品「メモリアルギター」3種をWEB通販限定で販売開始します。

ギター形状の本製品はすべて木材で出来ているため、セレモニーの際に納棺する楽器型の副葬品としても、また祭壇やお仏壇へのお供え物としてもお贈りいただける新シリーズ(演奏用ではございません)。大きさは本物のギターの1/2程度の約60cmで、大きすぎず小さすぎず、リアル感のあるサイズに仕上げました。

ええと、僕はどうしようかな、やっぱりここはストラトタイプだな、60センチってまあまあ大きいな。桶に入るギリギリの大きさなのかな、なんてチョイスしたのはいいものの、商品詳細ページは「404 Not Found」だし、

販売ページはネットショップサイトのBASEのトップページに飛ぶだけだ。もう売ってないのか。せっかくチョイスしたのに。

いや待てよ、この副葬品用のギターにハカランダが使われているかもしれない(そんなわけない)、と思ってあれこれ見てみると、上記の YouTube動画の詳細欄に、以下のような表記があった。

■ 商品概要
※ 製品は演奏用に作られたものではなく、装飾品として作られております
名称   : メモリアルギター type-LP / type-ST / type-AG
販売開始日 : 2021年2月1日
販売料金  : 各29,700円(税込・送料別)
サイズ : 縦600mm×横約200mm×幅30mm
材質 : パイン集成材(松)、ベニヤ材、タコ糸
カラー : 白木
販売店 : WEB通信販売限定(MIKIGAKKI Wood Collection)
URL : https://mikiwood.base.ec

パイン集成材とベニヤか… 弦はタコ糸… ハカランダのハの字も無い。当たり前か。

いや、えーと副葬品のことじゃなくて、Creek の話しだった。

「三木楽器 Creek」で検索すると、三木楽器オンラインショップ内の Creek のページが検索結果に出てくるが、当該ページはすでに無い。
エラー | 【MIKIGAKKI.COM】 総合TOP / 三木楽器オンラインショップ

同じく Creek のオフィシャルサイトだろうページも出てくるが、同じようになにもない。というか、なんらかのログイン画面が出る。
401 Unauthorized

あ、三木楽器内に Creek のページがまだあった。
Creek Time Machines Series CTF | 【MIKIGAKKI.COM】 三木楽器

Facebookページもある。
Creek Custom Guitars | Facebook

PR TIMES というサイトに、三木楽器と Creek に関する記事があった。
タイムマシンに乗って60年前からやってきたギター!?ホンモノは買えないけれどヴィンテージを求めるあなたに。 | 三木楽器 株式会社のプレスリリース

三木楽器株式会社(本社:大阪府大阪市中央区、代表取締役:三木 俊彦、以下 三木楽器)はヴィンテージギターの魅力とサウンドをもっと身近に楽しんで頂けるよう、往年のサウンドと佇まいを追求した新しいブランド”Creek”の取り扱いを開始致します。

しかしながら、三木楽器が Creek の取り扱いを始めたとは書いているが、オリジナルのブランドだとは書いてない。

だいたいこのように新しいブランドを紹介などする記事の場合、そのブランドの成り立ちや創業者が誰とか、何年にどこそこで創業とか、なんかそんな記述が必ず見られるものだとは思うが、そのような記述は無い。

【Creek(クリーク)とは】
ギター愛好家にとって一度は手にしてみたい憧れの存在”ヴィンテージ・ギター”
数十年を経て現存するヴィンテージ・ギターはその希少性と人気から年々価格が高騰しており、多くの人が手軽に演奏する事は難しい存在となっている事は否めません。
そんな「憧れのビンテージギターの魅力を新品のクオリティで再現」をコンセプトに、誰もが夢見たであろう理想のビンテージ像を体現するブランド”Creek(クリーク)”。
そのCreek “Time Machine Series”から往年のセミアコースティックモデルを追求した ”CTF” シリーズ の登場です。

音楽情報サイトの BARKS にも記事がある。
タイムマシンで60年前からやってきたギター? 三木楽器がヴィンテージ・ギターの魅力を再現する新ブランド「Creek」の取り扱いを開始 | BARKS

が、ここにもメーカーの成り立ちに関する記述は無い。

三木楽器が、ヴィンテージ・ギターの魅力とサウンドをもっと身近に楽しんでもらえるよう、往年のサウンドと佇まいを追求した新ブランド“Creek(クリーク)”の取り扱いを開始。50年代後期/60年代中期/60年代後半のセミアコースティックギターをモチーフにしたCTFシリーズ3モデルがリリースされた。

これじゃあ三木楽器オリジナルのブランドかどうかわからんではないか、と思ったら、一箇所だけ「 Creek は三木楽器のオリジナルブランド」と断言して書いているサイトを見つけたけど、公式でもなんでもない雑多な商品を扱うオンラインショップのサイトだったので、確定ではない。

さらに別のサイトにこのような記述が。
Creek Time Machine Series CJFG Aged 1957 USED – アコースティックギター販売/enguitar

三木楽器さんが展開するCreekギター。三木楽器さんが所有する膨大な数のビンテージ・ギターの中から、プリ・ウォーJ-35、1957年J-45、1959年サザン・ジャンボをセレクトし徹底的に研究、国内工房にてその再現を目指した今大注目のギターです!

いろいろ研究して、国内工房で作ってもらってるよ、的な感じでしょうか。これはもう「三木楽器のオリジナルギターのブランドは Creek 」ということで間違いないでしょうか。もう間違いないことにしよう。間違いないことにしました。

試しにデジマートで Creek を検索してみると、いくつか出てくる。なかなかの値段だ。
CREEKの検索結果【楽器検索デジマート】
このうちのいくつかは、指板はハカランダと書いてある。これらも正しい手順を踏まずに違法に持ち込んだものだろうか。というか、正しい手順というのはどういうものなのか全く知らない上に、正規に輸入する方法があるのかどうかも知らないけれど、これらを違法とは知らずに買った人は別に問題無いのかどうなのか。違法なのが判明してから買ったものはどうなるんだろうか。ちょっとよくわからないですけれど、製造しているところも違法とは知らなかったのだろうか。そこが一番気になるところではある。

詳細はまだこれから。
報道に関するお詫び | 三木楽器

投稿者 sakutarou

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